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 日常の生活の中で、ふと思う事や、考える事、又は自分の過去の記憶を思い出して書いてるエッセイである
by akiko_550722
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恐怖の側湾症の手術 パート2

 昨日の続きです。

 手術の数日前に、カンファレンスと云う術前会議みたいなものが開催されます。そこに私も呼ばれまして、モルモット見たいに演壇の上に裸で晒されたのです。目の前には「白い巨塔」のように、教授を筆頭に大勢の医者が、資料やレントゲン写真を前にして、会議とは程遠い感じで、それぞれが勝手に話し合っているのです。タバコの煙と騒然としたこの部屋を何気なく見渡すと、隅の方でラーメンすすっている医者までいるのです。

 そんな中で、私の担当医師が「この部分がどうなっているか、写真(レントゲン)では判らないですね?」と私の手術を執刀する助教授に聞いているのです。するとその助教授は「切ったら判る。大丈夫だ」なんて云っているんです。「冗談では無いよ。人の体を何だと思っているんだ。もっと真面目に話し合ってくれよ」と叫びたいのを我慢しながらも、なぜか笑顔を作っている自分が哀れでした。

 そして、ついに手術内容等の説明の日がやってきました。兄達が一緒に話を聞いてくれたのですが、兄達はその手術の説明に、あまり深く考えずに、ただ宜しくお願いしますと言っていましたが、私はお断りしたかったのです。だって余りにも怖い内容だったからです。

 その手術方法は二種類あって、背中から切開して行なう方法と、胸から切開して心臓や肺をいったん外に出して行なうと云う方法が有ると云うのです。当日までにどちらにするか決めると云う話でした。私は出来れば心臓や肺を表に出す方法だけは辞めて欲しいと頭の中で願ったのです。
 更に、脊髄自体の手術は、頚椎の5番目と腰椎の2番目に「釘」を埋め込んで、その間の椎間板を全て取り去って、椎間板の変わりに骨盤と肋骨から取った骨を、楔型に削って椎間板の変わりに埋め込んで、脊椎を一本の骨にするのだと言うのです。そして最後に先に埋め込んだ「釘」と「釘」の間に40cmの金属棒を取り付けて、脊椎が完全に一本の骨になるまで、支柱代わりにすると云うのです。(話だけでも怖いでしょ?)
 
 その後、手術の傷がある程度回復した時点で、全身ギブスで固定して、約6ヶ月間放置し、固定された事が確認できたら、ギブスを外して更に6ヶ月程度、リハビリを行なう予定でいるらしい。

 そんな話を色々と聞く度に不安が増していく中で、手術の三日前となりました。
 先生と術後の話をしている時に、「手術中に死ぬ事は絶対にないのか?」と質問をしてみました。すると先生は「ハッキリ言って、五分五分だ」と云うのです。それを聞いて冗談半分に「死ぬ前にもう一度、酒が飲みたいなぁ!」って云ったのです。その時は笑っていた先生でしたが、夜の8時頃、差し入れがあり、中身は「看護婦に見つかるなよ」と云うメモと紙パックのお酒が2つと「サキイカ」が入っていたのです。

 その夜の10時過ぎに、薄暗い病室で一人寂しく、スルメを肴にこれが最後の酒かなと思いながらその酒を飲みました。しかし、暫くぶりに飲んだせいか酔いの回りが速く、不覚にも飲んでいる最中に寝てしまったのです。朝方目が覚めたときに、お酒を飲んでいた事を思い出し、急いで片付けなきゃ看護婦さんにばれてしまうと思い、床頭台を見たのです。すると何故か昨夜の祝宴の形跡は跡形もなくなっていたのです。多分看護婦さんが見廻りの際に片付けてくれたのだろうと思うのですが、その後、その事で何のお咎めが無かった事が、返って私は「死」への不安が増して行ったのです。

 しかし、約12時間の大手術も無事に大成功で終わったのです。手術方法は私の希望通り、背中からの方法でした。そして、手術前は148cmしかなかった身長が158cmになったのです。元々私の身長は、完全に伸ばすと178cmだったと言われていましたので、まだ20cmはめり込んでいる計算になる。でも10cm伸びた事で世界が変わりました。なにしろ見えなかった所が見えるようになったのですから。

手術後の面白い話題も沢山ありますが、それは又の機会と云う事に・・・。
by akiko_550722 | 2005-01-26 07:50
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