話す家電製品 |
最近の家電製品には「話す機能」が色々付いていて非常に便利である。操作方法を指示したり注意をするものが沢山ある事に驚かされる。 だいぶ以前からエスカレーターは「危険ですので、手すりにおつかまり下さい」などと注意するようになっていたし、エレベターも「ドアが閉まります」「○階です」等とアナウスがされていたので「音声ガイド」にはあまり驚かなくなって来ているとは思うのです。 しかし、このエスカレーターやエレベターの場合は親切心と云うよりも、設置している側の自己防御の姿勢から開発されたものと感じるのは勘ぐりすぎだろうか。 それは万一事故が起こったときに、「あのように常にアナウンスを流して注意を促していました」という弁解する道具になるからである。 ところが、最近の電化製品の「音声ガイド」は私の想像を大きく上回っており、常に驚かされるのだ。 市役所にある血圧計等は、表示が出ると同時に「あなたの最高血圧は○○です」と周囲にも聞こえるほどの音量で言うので、いささか迷惑な気分になる事もあるが、しかし目の悪い人に対する親切心なのだろうと思うと、それなりに便利な物だと感心させられる。 又、最近では自動販売機までが「ありがとうございました」と礼を言う。更にこれには関西弁バージョンがあって「まいどおおきに」と言うそうである。 そんな事に目くじらをたてるほどの事もないとは思うが、これらの機械的アナウスは時には耳障りになる事が多いのである。 駅の乗降のアナウンスなどもあのように騒がしいのは日本独特だそうだ。 ところが最近の電化製品はこれらとは一味違った魅力があるのです。強いて云えば、親か姑が傍に居て、嫁に注意する様なアナウスがされるのです。 たとえば冷蔵庫が「ドアが開いています。」と警告したり、中にある品物を教えてくれたり、電子レンジでは今夜のレシピのアナウスがされて、調理が終わると「熱いですから気をつけてください。」と注意するものがあると云う。 少し話が外れますが、我が家の車にカーナビが付いているが、これが結構面白い機能が付いているんですよ。 行き先をインプットすると目的地までのルートを案内するのは当然ですが、指示を無視して別な道に入ると、「ルートが外れました。りルートします」と云って新たな道を検索してくれるのです。又、一定時間運転していると「運転が長時間になっています。ちょっと休憩しませんか?」とカーナビさまがおっしゃるんです。 常に助手席に乗っている妻にも云われた事のない優しい言葉に目が潤む事が有るんです。(これは嘘です) こんなに色々と話す電化製品が増えている中で、先日ある新聞の投書欄に、新しい冷蔵庫を買った人の感想が次のように書いてあったので紹介します。 「この頃の人達は人間同士ではあまりしゃべらなくなっているんだろうか。たとえば私は最近、若い人と話す機会が多くなったが、突っ込んだ話をすると嫌がられる事が多いのです。一般論で話していても、深い話は避けている様に思えるのです。昔はあまり親しくない人であっても、もっと会話をしていたように思うし、友だち同士だと時間を忘れて徹夜で語り合った事もあったし、近所の人にも気軽に話しをしたものでした。私は、人間は話す合う事によってお互いが解り合えると思って居るのですが・・・。 いくら向こうから声を掛けてくれても、やっぱり冷蔵庫と「話す」のは味気ないものです。」 孤独な部屋で、話す相手もなく、唯一話すのは「冷蔵庫」だけと言うのも寂しい話ですね。 たしかに、人間が話し合う事が少なくなった事は事実だし、その分、機械そのものが話すようになっているのもその通りだと思うのです。たいしたコストをかけなくても設置出来るし、より便利なほうが顧客にも喜ばれるから付けておこうというメーカーの気持ちかもしれない。 しかし今後、これらの事が促進されていくとなれば、喜んでばかりもいられないと思うのです。いずれ人間達は話す事を忘れてしまうのでないかと思うのは年寄りの勘繰りでしょうか? しゃべっているのは機械だけという世の中になってしまったら、さぞかし味気ない社会になってしまうと思うのですが・・・・・。 |
by akiko_550722
| 2004-09-12 07:41
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